
中心静脈カテーテル


中心静脈カテーテルの取り扱いにも大分慣れてきました!

いいね!中心静脈カテーテルを挿入している患者さんはよく受け持っているってことかな?

そうなんです。
でもルートが多すぎるとやっぱり混乱しちゃいます…。

重要な薬剤を投与する大切なルートだからね。
ここでもう一度中心静脈カテーテルの復習をしていこう!
解説記事で学べること!
中心静脈カテーテル挿入の適応

中心静脈カテーテルは、末梢の点滴ルートだけでは対応できないときに必要になるルートだよ。
中心静脈カテーテルの主な適応は以下のとおり。
| 中心静脈圧の測定が必要なとき | 循環動態の評価 / 輸液量の調整 |
| 安定した薬剤・栄養剤の投与 | 高カロリー輸液(TPN) / 抗がん剤・昇圧薬/血管外漏出時のリスクが高い薬剤 |
| 長期にわたる治療 | 抗がん剤治療 / 長期輸液管理 |
| 麻酔管理 | 手術中のモニタリング / 麻酔薬や輸液の投与 |
| 血液採取 | 繰り返しの採血 / 負担軽減 |
| 末梢静脈路確保困難時 | ショック・心停止などの緊急時/迅速・確実なルート確保が必要な状態/熱傷・肢体損傷がある場合 |

こんなふうに、中心静脈カテーテルは幅広い場面で使われるんだ。でも侵襲的でリスクもあるから、「なぜ必要なのか」を理解しておくことが大切なんだね。

なるほど…!中心静脈カテーテルを入れることで、治療の幅も広がりそうですね!
中心静脈カテーテルの種類と特徴
中心静脈カテーテルは、挿入する場所や用途、カテーテルの構造によっていくつか種類があるんだ。患者さんの状態や目的によって選ばれるから、それぞれの特徴を知っておこう!
挿入部位による種類
| 種類 | 長所 | リスク |
| 内頚静脈カテーテル(IJV) | 静脈の位置が分かりやすい 機械的合併症や血栓リスクが低い | カテーテルの違和感が強い |
| 鎖骨下静脈カテーテル | 違和感が少ない 血栓や感染リスクが低い | 気胸・血気胸のリスク |
| 大腿静脈カテーテル | 静脈が探しやすい 超音波ガイド下で挿入しやすい | 違和感が強い 血栓リスクが高い |
| 末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC) | 致死的合併症が少ない 感染リスクが低め | 血栓リスクが高い 長期使用で閉塞しやすい |


PICCは昔は正中皮静脈から入れることが多かったけど、最近は上腕内側の尺側皮静脈から超音波で静脈を探して入れる方法が主流なんだ。血流が確保しやすくて、トラブルも減っているんだよ。
用途による分類
| 分類 | 種類 | 用途・特徴 | 注意点 |
| ルーメン数(内腔の数) | シングルルーメン | ・単一ルートで投与や採血に使用 | ・同時投与ができない ・用途が限られる |
| ダブルルーメン | ・2つの内腔で投与と採血 ・薬剤同士の使い分けが可能 | ・管理が複雑 ・感染リスクがやや増える | |
| トリプルルーメン以上 | ・ICUなどで多剤投与・採血・輸液を同時進行できる | ・ルーメンが増えるほど閉塞や混合のリスクが高まる | |
| 特別用途/高流量・血液アクセス | 血液透析カテーテル | ・大口径で高流量に対応 ・透析回路に接続するための専用ルート | ・血管損傷や出血 ・感染リスクが高いため厳密な管理が必要 |
| 特殊機能付きタイプ | Power injectable PICC ポートなど | ・造影剤注入など高圧注入に耐える構造 ・複数のルーメンやマークが付いている | ・最大注入速度や圧力など使用制限を遵守する必要がある |

中心静脈カテーテルってこんなに種類があるんだね…!
カテーテル自体の構造的特徴
- 長さとサイズ
成人:12〜15cm程度が一般的
小児・新生児:体格に合わせて短いカテーテルを使用 - 抗菌薬含浸カテーテル
表面に抗菌薬をしみ込ませて、カテーテル関連血流感染を減らす工夫がされている - JIS規格に準拠した構造
- 材質や形状、X線で見えるかどうか(X線不透過性)
- 先端形状(血管を傷つけにくくする工夫)
- 強度や気密性の基準

カテーテル自体はどんな構造になってるんですか?


①DISTAL(遠位):挿入部位から一番遠く、心臓から一番近いルート。径が一番太いから、中心静脈圧測定やメイン輸液投与、スポット輸液(全開投与時など)に向いているよ。
②MEDIAL(中央):①より径が狭い分、流速が安定するメリットがあるよ。カテーテルの中央辺りから薬剤が流入するから、低流量の配合変化が少ない薬剤が向いている。
③PROXIMAL(近位):挿入部位から一番近く、心臓から一番遠い。①や②からの流速の影響を受けにくいから、フラッシュされたくない薬剤(カテコラミン系)を投与するのに向いているよ。

「どこから入れるか」「どんな目的で使っているか」「カテーテル自体にどんな工夫があるか」を理解すると整理しやすいよ。
中心静脈カテーテル挿入の手順と看護

中心静脈カテーテルの挿入は医師が行うものだけど、
どの段階で何が必要かを理解しておくことが大切だよ。
準備物品
- モニタリング機器(パルスオキシメータ、心電図、血圧計、聴診器)
- 救急カート(気道確保器具、除細動器、救急薬剤)
- 超音波装置(小児は軽いリニアプローブ)
- 穿刺キット(針・ガイドワイヤー・ダイレータ・カテーテルなど)
- 消毒薬(クロルヘキシジンアルコール、ヨード製剤)
- 無菌操作に適した物品(マスク、キャップ、滅菌ガウン、滅菌手袋、大型ドレープ)
病院によっても違いがあるので、マニュアルをしっかり確認しておこう!
挿入前の準備
- 患者さんの体位・安楽の確保
・枕やタオルでポジショニングを工夫し、首の角度を調整して静脈が見やすくなるようにする。このとき、患者さんが苦しくないように配慮する
・医師が操作しやすいようにベッドの高さを調整し、周囲の導線を確保する - 声かけと安心への配慮
患者さんは覆布で顔が隠れてしまい不安になりやすため、手順の節目で「今から消毒しますね」「少し冷たいですよ」など声をかける - モニタリングの準備
血圧計をあらかじめ装着しておき、スタッフ全員からモニターが見やすいように配置する
(医師は手元に集中しているため、外回りの看護師が異常を察知できることが大切) - 安全確保のための準備
鎮痛薬や鎮静薬の使用が予想される場合は、医師に調整依頼を行う。必要に応じて抑制帯を準備しておき、処置中の事故を防ぐ - モニタリング・救急体制
・不整脈や気胸など、処置中の合併症にすぐ対応できるよう、救急カート・人員を整えておく
・除細動器や酸素など、急変時に必要な物品も確認しておく
手技と看護の流れ

実際の手技と看護の流れを見ていこう!
- Prescan(超音波で事前確認)
医師がエコーを用いて、血栓や血管の蛇行、動脈との位置関係を確認する - 無菌操作の徹底
術者はマスク・キャップ・滅菌ガウン、患者は大きなドレープで覆う
介助する際は、物品が不潔にならないよう清潔操作を徹底する - 器材チェック
通水確認やガイドワイヤー通過確認、患者名や部位・目的を全員で確認 - 消毒
消毒液を確認して使用、残液はすぐ廃棄 - 穿刺と逆血確認
血液の色・勢いで静脈かを判断し、疑わしければ血ガスや圧測定を行う - ガイドワイヤー挿入
医師の処置中は、モニタリングや患者さんの様子に注意し観察する。
不整脈など異常が生じた場合は速やかに報告する。 - ダイレータ挿入
ガイドワイヤーをしっかり保持し、5cm以内で挿入して血管損傷を防ぐ - カテーテル留置・固定
成人は12〜15cmを目安に留置し、施設ごとのマニュアルに従って固定する
固定部位はカルテに記載し共有する - 位置確認
- 超音波でワイヤー位置を確認→胸部X線での確認
X線写真撮影の介助を行う - 患者観察
呼吸音・循環動態・穿刺部位の出血や腫脹をチェックし、合併症を早期発見に務める


「流れ」を理解しておくと、実際に介助に入るときも「今どこをやっているのか」が分かりやすいんだ。

図で見ると頭に入りやすいですね。介助に役立てられそうです!
中心静脈カテーテル挿入中の注意点と看護
中心静脈カテーテルの挿入中は、患者さんの安全を守るために感染対策と合併症の早期発見がとても大事なんだ。特に「無菌操作」と「異常のサインを見逃さない」ことを意識しよう。
感染対策と看護
- 輸液回路の管理
閉鎖式輸液回路が推奨される。三方活栓を使う場合は接続口を消毒薬で15秒以上しっかり拭く。
ルート交換など処置の際は清潔操作を行う。 - 穿刺部位の選択
感染した皮膚、熱傷部位、開放創や気管切開の周囲は避ける。
大腿静脈は排泄物による感染リスクが高く、使用時は早期に他のルートへ変更を検討。 - 被覆材の使用
クロルヘキシジン含有ドレッシングで覆うと感染予防に有効。 - 部位の観察
挿入部位を毎日観察し、発赤・腫脹・痛み・排膿の有無をチェックする。 - 接続口の管理
使用前に必ず消毒薬で拭き取り、使用後はキャップを装着。ニードルレスコネクターも有効。 - 留置期間の評価
留置が長いほど感染リスクは高まる。
ルートの留置が必要かどうかをアセスメントし、不要になったら早期に抜去する。 - 感染が疑われるときの対応
ガイドワイヤーでの入れ替えより、新しい穿刺部位を選んだ方が安全とされる。
機械的合併症への注意と看護
- 動脈誤穿刺・血腫
内頚静脈で頸動脈を誤穿刺すると血腫で気道閉塞のリスクがある。鎖骨下静脈は圧迫止血が難しい。 - 気胸
適切に挿入されているかをエコー・X線写真で確認する。
咳・胸痛・呼吸困難などの症状の出現に注意する。
遅発性も注意が必要。 - 血胸・縦隔血腫・胸水・心タンポナーデ
複数回穿刺や小児で起こりやすい。
血圧低下時は心エコーで心タンポナーデを確認するため、ポータブルエコーなどをすぐ使えるよう準備しておく。 - 不整脈
ガイドワイヤーやカテーテルで心臓を刺激すると発生することがある。
モニタリングを行い、持続性心室細動に移行した場合は速やかに除細動できるよう準備する - 局所神経損傷
血腫による圧迫や薬液漏出による神経毒性で生じることがある。 - 自己抜去
患者さんの認知力や行動によっては、カテーテル抜去リスクがある。アセスメントと対策が必要
日常的なケア
- 刺入部の観察
発赤・腫脹・滲出液など感染兆候がないか、勤務ごとにチェックする - 挿入長さの確認
カテーテルが抜けかけていないか、滑脱がないかをチェックし、カルテに記載する - ルートの長さ
ルートの長さが短すぎて引っ張られていないか、長すぎて動作を妨げていないかを確認する
投与薬剤の増減に合わせて適切なルートの長さや接続へ変更を検討する - 固定の適切さ
テープや縫合が剥がれかけていないか、皮膚トラブルや不快感がないかを観察する

中心静脈カテーテルを挿入していると、動きが制限されるから、患者さんにとってストレスになることもあるよ。

常にルートを気にしているのは大変ですよね。そういった心理面への配慮も大切ってことですね!
中心静脈カテーテル抜去時の注意点と看護

カテーテルを抜くときも、注意が必要なんだよ。

え?ただ抜くだけじゃないんですか?

抜去後の観察を怠ると、出血や腫脹につながる恐れがあるんだ。
注意点を見ていこう!
抜去介助時の看護
- 器材の扱い:
・抜いたカテーテルや針は速やかに感染ボックスへ廃棄する - 末梢ルートへの切り替え:
・投与ルートの変更に伴い、薬剤や輸液の内容もチェックが必要。
・末梢点滴から投与禁止な薬剤のオーダーが残っていないか確認する - 患者観察:
・抜去直後はバイタルサイン、穿刺部位の出血や腫脹を重点的に観察する
・空気塞栓を予防するために、カテーテル抜去時は患者を頭低位あるいは平坦な体位にする。抜去後は穿刺孔から空気が入らないよう、空気を通さない透明ドレッシング材で保護する
出血・血腫の予防
- 動脈に誤挿入されたカテーテルを抜くときは大量出血に注意する
- 圧迫可能な部位で7Fr以下のカテーテルなら、抜去後10分間圧迫して止血する
- 抜去後も各勤務帯で出血や内出血などが起こっていないか観察する。兆候があれば、速やかに医師へ報告する

抜去後はしっかり止血できているかを必ず確認しよう。さらに、点滴内容が適切かどうかを確認することも大切だよ。

はい!抜いたあとの観察と、点滴の切り替えまで意識して介助してみます!

中心静脈カテーテルを振り返ってみるよ!
「中心静脈カテーテル」解説記事のまとめ
- 中心静脈カテーテルは、末梢ルートでは対応できない場面で使用し、循環動態の評価や高濃度薬剤投与、長期治療、麻酔管理、緊急時ルート確保に有用
- 挿入部位・方法・カテーテルの構造によって複数の種類があり、メリットとリスクを理解して選択される
- モニタリング・体位調整・無菌操作・キット確認など準備を徹底し、手技中は患者観察と合併症への注意が必要
- 中心静脈カテーテル挿入中は、感染対策と機械的合併症の予防を行う
- 抜去後は再出血に注意し、バイタルサインや穿刺部位の観察を徹底する

慣れで観察していたかもしれないです…。一つひとつの治療に根拠があるって再認識できました。


