
急性胆管炎 ≺2/3 New!!


急性胆管炎って、急に悪くなるんですよね…。明日の夜勤で患者さんが急変したらどうしよう……正直ちょっと怖いです。

その不安はみんな通る道だよ。胆管炎はポイントさえ押さえれば、危険なサインにも早く気づけるんだ。急性胆管炎の見るべきポイントを一緒に整理していこう!
解説記事で学べること!
急性胆管炎の病態

急性胆管炎は、胆管の中で細菌感染が起きる病気だよ。
胆管は、肝臓でつくられた胆汁を十二指腸へ運ぶ“細い管”のこと。その管がなんらかの原因で詰まると、胆汁がうっ滞して細菌が増えやすい環境になってしまうんだ。
ふだん胆汁は無菌だけど、流れが止まると一気に細菌が繁殖して炎症が広がってしまう。これが急性胆管炎のはじまりだよ。


胆汁が詰まるとどうなるの?
胆汁が詰まると、以下の状態になるんだ。
- 胆汁が流れない
- 胆管内圧が上がる
- 細菌が血管へ広がりやすくなる
その結果、重症化すると菌血症・敗血症に進むこともある病気だから注意しないといけない病気だよ。
発症のメカニズム
急性胆管炎は「胆管の閉塞」+「細菌感染」がそろったときに起こるよ。
- 閉塞:胆管が詰まって胆汁が流れなくなる
- 感染:腸内細菌(大腸菌など)が逆流して胆汁内で増える
胆汁が長くうっ滞するほど細菌が増えやすく、胆管内圧も高くなって全身に広がりやすくなるんだ。
主な原因
急性胆管炎の原因で一番多いのは総胆管結石だよ。そのほかにも、胆道が狭くなる病気や腫瘍が原因になることもあるんだ。
- 総胆管結石(最も多い)
- 肝内結石
- 乳頭部の狭窄
- 良性胆管狭窄
- 胆管癌
- 膵頭部癌・乳頭部癌など
高齢者では腫瘍が原因の閉塞が見つかりにくいこともあるから、背景疾患の確認もしっかりしておこう。
TIPS:胆嚢炎との違い

つまり、同じ“胆道の病気”でも病態や治療は別物なんだ。
急性胆管炎の症状
急性胆管炎では、発熱・黄疸・右季肋部痛がよくみられるよ。いわゆるCharcot(シャルコー)の三徴と呼ばれる症状なんだけど、実は腹痛がはっきり出ない患者さんも多いんだ。
だから、現在の診断基準では“三徴がそろわない=否定”とはならないことも覚えておこう。
- 発熱(悪寒戦慄を伴うことも)
- 黄疸
- 右季肋部痛
これらの症状がそろってきたら、胆汁の流れが悪くなっているサインと言えるよ。
重症化のサイン
急性胆管炎は、TokyoGuidelines2018(TG18)で重症度(Grade)に分けられるよ。この重症度は、その後の治療方針を決めるときにとても大切なんだ。
まずは、TG18での重症度のイメージをつかんでおこう。
GradeⅠ(軽症):全身状態はまだ安定している段階。抗菌薬で改善が期待できる
GradeⅡ(中等症):悪化しやすいサインが出てくる段階で、早めのドレナージが必要
GradeⅢ(重症):臓器不全が起きていて、緊急の処置(ドレナージ+集中治療)が必要
つまり、Gradeが上がるほど危険度が高くなって、対応のスピードや内容が変わるというわけなんだ。
中等症(GradeⅡ)
中等症は、「このままでは重症になってしまうかも…」というサインがそろった状態だよ。ここで早くドレナージすることで、重症化を防いでいくイメージなんだ。
・39℃以上の高熱がある
・総ビリルビン5mg/dL以上の黄疸がある
・白血球異常(>12,000または<4,000/mm³)
これらが出てきたら、早期のドレナージ(24時間以内)を考える段階だね。
重症(GradeⅢ)
重症は“命に関わるサイン”が出ている状態だよ。臓器がうまく働かなくなっているから、すぐに治療が必要になるんだ。
- 意識障害(反応が鈍い・ぼんやりしている)
- ショック(血圧低下、昇圧薬が必要)
- 多臓器障害(腎・肝・呼吸などの機能低下)
GradeⅢでは緊急ドレナージ+呼吸・循環を含む集中治療が必須になるよ!
急性胆管炎の検査
急性胆管炎の診断には、血液検査と画像検査を組み合わせて、TG18に沿って評価していくよ。TG18では、急性胆管炎を次の3つの視点から総合的に判断するのが基本なんだ。
- 全身の炎症があるか
- 胆汁の流れが悪くなっているか(胆汁うっ滞)
- 画像で胆管の異常が確認できるか
この3つをそろえて状態を見ていくことで、「疑診なのか・確診なのか」を判断していくんだ。
血液検査
血液検査では、炎症の程度・胆汁うっ滞・臓器障害の3つをセットで確認するよ。
特に注目すべき検査項目は以下のとおり。
- 白血球増多/白血球低下
- CRP上昇(炎症の強さを見る)
- 肝機能異常(AST/ALT、ALP、γ-GTP)
- 高ビリルビン血症(黄疸の程度)
これらはTG18の「全身炎症」「胆汁うっ滞」に当たる部分なんだ。
重症度判定に関わる項目は以下のとおり。
- 腎機能(Cr>2.0mg/dL)
- 凝固異常(PT-INR>1.5、血小板<10万/mm³)
これらはGradeⅢ(重症)判定の重要ポイントだよ。

「臓器不全のサイン=重症化しているかの判断材料」ということだね。
画像検査
画像検査では、胆管が詰まっているか、どのくらい勢いよく広がっているかを確認するよ。
腹部超音波(US)
- まず最初に行われることが多い
- 胆管拡張の有無を確認
- 結石の検出
- 胆嚢炎の合併も見つけやすい
CT検査
- 超音波で分かりにくい場合にも有用
- 総胆管結石の描出
- 炎症の広がり
- 重症度の判断にも役立つ
画像診断での決定的なポイント
- 総胆管結石がはっきり確認できれば確定診断となる
- 胆管拡張(目安:7mm以上)も、胆汁うっ滞の重要所見だよ
急性胆管炎の治療
急性胆管炎の治療は、「感染を抑えること」と「胆汁の流れを戻すこと」の2つが大事なんだ。特に胆汁の流れを回復させる胆道ドレナージは、状態が悪いほど早く行う必要があるよ。
初期治療
急性胆管炎では、まず全身状態を整えるための治療をすぐに始めるよ。
- 絶食にして、ドレナージに備える
- 補液ラインを確保して、十分な補液を行う
- 抗菌薬を速やかに投与する
- 痛みが強ければ鎮痛薬を使う
抗菌薬だけでも炎症は和らぐけれど、胆汁の流れが塞がったままだと根本改善にはつながらないんだ。だから、この初期治療はドレナージまでの“つなぎ”の役割もあるんだよ。
胆道ドレナージ
胆道ドレナージは、胆管にたまった感染した胆汁を外に出す治療のことだよ。
胆汁が詰まったままだと、細菌が増えて血流へ広がり、敗血症に進む危険があるんだ。
- 胆汁を排出して、胆管内の圧を下げる
- 細菌や毒素が全身へ広がるのを防ぐ
- 抗菌薬の効果をしっかり発揮させる
特に中等症・重症では、ドレナージのタイミングを逃すと命に関わることもあるから、適切なタイミングでのドレナージが重要なんだ。
| GradeⅠ(軽症) | 早期にEBD(内視鏡治療)を検討 | ・抗菌薬で一時的に改善しても、結石が原因なら後日必ず処置 ・入院中に計画的に実施 |
| GradeⅡ(中等症) | 24時間以内にドレナージ | ・早い介入ほど死亡率が低下 ・抗菌薬+補液で全身状態の安定化 |
| GradeⅢ(重症) | 緊急ドレナージ | ・ICUでの呼吸/循環サポートが必要 ・治療の遅れが命に直結 |
ドレナージの方法
内視鏡的経乳頭的ドレナージ(EBD)
胆管炎でまず選ばれるのは、このEBDだよ。内視鏡で十二指腸から胆管にアプローチする方法で、体への負担が少ないんだ。
- ENBD(経鼻胆道ドレナージ)
- EBS(胆管ステント留置)
- 結石をその場で取り除く“一期的結石除去”
患者さんの状態や結石の大きさで方法を使い分けるよ。
EBDが難しい場合の選択肢
状況によっては、他の方法で胆汁を外に流すこともあるよ。
- EUS-BD(超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ)
- PTCD(経皮経肝胆道ドレナージ)
どちらも高度な手技で、専門施設で行われることが多いんだ。
現在の治療は、内視鏡での治療が主流。外科手術(開腹)のほうがリスクが高いため、ほとんど選択されないよ。
急性胆管炎の合併症
急性胆管炎は、胆汁の流れが完全に詰まったまま感染が広がると、全身に影響が出るほど重症化することがあるんだ。ここでは、病気そのものによる合併症と、治療で行う胆道ドレナージに伴う合併症の2つに分けて見ていくよ。
急性胆管炎そのものによる合併症
急性胆管炎が悪化してGradeⅢ(重症)になると、感染が全身へ広がり、敗血症のような状態になるんだ。その結果、複数の臓器がうまく働かなくなる多臓器不全を起こしてしまうことがあるよ。
起こりやすい臓器障害
- 循環障害(血圧低下、ショック)
- 中枢神経障害(意識障害)
- 呼吸機能障害(呼吸が浅い・SpO₂低下)
- 腎機能障害(尿量減少、Cr上昇)
- 肝機能障害(凝固異常、肝酵素上昇)
- 血小板減少・凝固異常
臓器が複数同時に悪くなるほど危険で、できるだけ早く胆汁の流れを戻す必要があるんだ。
播種性血管内凝固症候群(DIC)
重症胆管炎で特に注意が必要なのがDICだよ。血管の中で血が固まりすぎたり、逆に出血しやすくなったりする状態で、命に関わることもあるんだ。
胆道ドレナージに伴う合併症
急性胆管炎の治療の中心はドレナージだけど、リスクもあるんだよ。それぞれの方法で特徴的な合併症があるから、ポイントをおさえておこう。
一般的に起こりやすい合併症
- 胆汁漏出(胆汁が腹腔内にもれる)
- 急性膵炎
- 出血
これらは、どのドレナージ法でも共通して起こり得る合併症だよ。
PTCD(経皮経肝胆道ドレナージ)で起こりやすい合併症
PTCDは皮膚から肝臓を通ってチューブを入れる方法だから、出血や感染のリスクがやや高くなるんだ。
- 出血
- 胆汁瘻(チューブ刺入部から胆汁がもれる)
- 胆管炎の再燃
EST(内視鏡的乳頭括約筋切開術)の合併症
内視鏡で乳頭部を切開する手技だから、出血のリスクが上がるんだ。
- 出血が増えやすい
- まれに穿孔(腸管に穴が開く)につながることも
EUS-BD(超音波内視鏡ガイド下ドレナージ)の合併症
高度な手技で、穿刺ルートを作って胆管へアプローチする方法だよ。
- 穿刺部位から感染胆汁が漏れる
- 胆汁性腹膜炎
- ステントの逸脱(位置ズレ)
EUS-BDが専門施設で行われる理由は、この合併症リスクの高さにあるんだ。

合併症のサインをしっかり観察することが大切ですね…!
急性胆管炎患者の看護
重症化しやすい急性胆管炎だから、患者さんも痛みや不安が強い疾患だよ。丁寧な対応を心がけよう!
初期対応と全身管理
急性胆管炎の患者さんは、最初の数時間の対応がすごく大切なんだ。治療の流れを止めないように、全身状態をしっかり観察しよう!
- 補液ラインを速やかに確保する(20G以上のもの)
- 滴下速度や輸液量を適切に管理し、インアウトバランスの崩れに注意する
- 抗菌薬投与の準備を行い、投与後の反応を観察する
- 絶食を徹底し、ドレナージに備える
- 発熱・痛み・悪寒などの全身症状を頻回に観察する
- 入院後24時間以内、さらに24〜48時間で重症度を再評価する
- 意識・血圧・尿量など、臓器不全のサインを確認する
- 症状の訴えに変化があるなど、重症化が疑われたら、早期に報告し、指示を仰ぐ
ドレナージチューブの管理
胆道ドレナージが入っている患者さんは、チューブのトラブルが治療の妨げになりやすいんだ。患者さんの不快感にも気を配りながら、安全に管理をしよう。
ENBD(経鼻胆道ドレナージ)
- チューブ固定を確実に行い、自然抜去や自己抜去がないよう注意する
- 固定シールの交換は施設のルールに従い、剥がれ・ずれなどがあればその都度交換する
- 鼻や咽頭の不快感・痛みを聞き、固定のずれや圧がないかも確認する
- 自己抜去防止のために、チューブの必要性を丁寧に説明する
- 胆汁の排液量・色・濁りを観察・記録する
- チューブのねじれ・圧迫・閉塞を適宜確認し、体動によるチューブの閉塞や抜去がないかを確認する
- 指示に応じて洗浄を行い閉塞を予防する
EBS(胆管ステント留置)
- 発熱・疼痛の悪化などステント閉塞のサインを観察する
- 排便パターンの変化や色・性状を確認する
- 肝機能検査値の推移をフォローする
- ステント逸脱が疑われる症状(痛み増強・発熱)に注意する
皮膚・眼球の変化の観察
胆汁が流れなくなると、皮膚や眼球にサインが出るんだ。これは急激に表れるものではなく徐々に表れるからなかなか気が付かないサイン。特徴やポイントをおさえて観察しよう。
- 眼球結膜の色調(黄染の有無・濃さ)を観察する
- 皮膚の黄染を全身で確認する(胸部・手掌・足底などが色差がわかりやすい)
- 掻痒感の訴えの有無・程度、掻破痕の有無を把握する
- 掻痒感による不快感の訴えや睡眠不足がないかを観察する
- 発汗や皮膚の乾燥、冷感の有無を観察する
- 皮膚の変化が進行していないか、治療後に改善しているかを継続して評価する
- ボディーイメージの変化による苦痛を傾聴し、治療により改善が期待できることを伝え励ます
症状悪化の早期発見
急性胆管炎は、一見落ち着いていても急に悪くなることがあるんだ。小さな変化に気づけるかが、看護師の大事な役割だよ。
- 発熱の持続や熱型、悪寒戦慄の出現を確認する
- 意識レベルの変化をスケール(JCS・GCS)を用いて評価する
- 血圧低下・頻脈など循環不安定の兆候を観察する
- 呼吸状態(RR増加・SpO₂低下)の変化を確認する
- 尿量の減少や色の変化をチェックする
- 腹痛の増悪や胆道系酵素の再上昇に注意する
- 倦怠感・食欲低下・不穏などの違和感を見逃さずアセスメントを行う
疼痛・不安へのケア
体の痛みだけでなく、不安も治療に大きく影響するよ。患者さんが安心して治療を受けられるよう、寄り添う姿勢が大切だよ。
- 痛みの部位・強さ・性質をスケールなどを用いこまめに評価する
- 鎮痛薬を使用したら、効果と副作用を観察し、記録する
- 手技や検査の流れについては、事前に説明し、不安なく望めるようにする
- 苦痛が強い時期は、鎮痛剤や睡眠薬の使用や、体位を調整するなど、患者さんと共に苦痛が軽減できるよう話しあう

治療自体にスピード感があるから、その時その時で患者さんが安楽に過ごせるように考えないといけませんね…!

急性胆管炎を振り返ってみるよ!
「急性胆管炎」解説記事のまとめ
- 急性胆管炎は「胆管の閉塞+細菌感染」によって急激に悪化する疾患で、胆汁の流れを回復させることが重要
- 診断はTG18に基づき、全身炎症・胆汁うっ滞・画像所見の3項目を組み合わせて評価する。
- 発熱・黄疸・右季肋部痛が主要症状で、重症度(GradeⅠ〜Ⅲ)によって治療の緊急度が大きく変化する。
- 治療は抗菌薬・補液とともに胆道ドレナージを行い、GradeⅡは24時間以内、GradeⅢは緊急で介入する。
- 急性胆管炎が重症化すると多臓器不全やDICを引き起こすことがあり、早期のドレナージと全身管理が大切
- 看護では初期管理、ドレナージチューブ管理、重症化の早期発見、疼痛・不安へのケアを継続して実施する。

重症度の見方とサインがつながって理解できました!
夜勤でも落ち着いて対応できそうです!


